【初代ロスチャイルドからの学び:「誠実」・「丁寧」・【信頼】・・・・】
先日30数年前に日本の某銀行の方でNYで支店長をされていた方がお見えになり、急にNYに来る事になったが、お会い出来ますかと言うメールが来た。彼はなかなかな快活な方で、性格が抜群、テニス、ゴルフ、合唱と趣味も多彩であり、又Harvardのビジネススクールにも留学されたなかなかのナイスガイである。
私も下手ながらかってはNYの男性合唱団に約10年程所属する事があり、そこで知り合った。なんとなくお互いの気質が合うのである。人に好かれ、明るいから多分出世するだろうと思っていた・・・が、残念ながら正義感が災いして専務で終わってしまったと笑いながらおっしゃっていた。
今はヨーロッパ系のM&Aの専門の金融で70代にも関らず、いまだに第一線で働いているとおしゃっていた。ロンドンでの勤務もあり、談論風発と含蓄のある話で、お互いに満足感のある4時間も話し合った。
ありきたりの日常的な話のあと、金融や不動産の話をしたあとに、「ロスチャイルド」の話になった。ロスチャイルドに関しては、かって私が中学2年の時に読んだ「ロスチャイルド家族」という本か基本となっている。
詳しい事は忘れたが、初代ロスチャイルドはユダヤ人で1740年頃から1812年位まで現役だったと思う。当時のユダヤ人の多くは限られた場所、ゲットーで生活するしかなく、父親は小規模ながら「両替商」を営んでいたが、彼が12歳頃に亡くなり、その後母親も直ぐに亡くなり、途方に暮れていたが、知りあいだったか、ある銀行家の下働きで働く事になった。そこで彼は色んな事を学んだ。床磨き、靴磨き・・・与えられた「仕事」は全て「最高」のものとしてやり過ごしたのである。又物を配達する時も雨に濡れそうな時には自分のシャツに巻き付けたり、何事も【丁寧】な仕事をしたので、色んな方からあいつは「出来る男」だと「評判」と【信頼】を得て行く事になる。(秀吉の信長の草履を懐に入れて温めていたと言われる事と似ている?。)
私が好きなのは:【人が成功するのは、小さな工夫と努力の積み重ねから生まれる】、【小さな事を「丁寧」に積み重ねていけば、道は開ける。】【新しい仕組みを恐れるな!。時代は常に変化して行く。】等である。当時は郵便配達が始まったばかりで、彼はそれを直ぐに取り入れ、カタログを丁寧に作り、当時の金持ちや貴族が古い小銭を収集するのが流行っていたので、工夫してカタログを送り届け、小さな事も嫌がらずにきちんと仕事していったので、金持ちや貴族の方から抜群の【信頼】を得て行く事になる。【誠実】・【丁寧】・【信頼】こそが彼を成功させた大きな要因であろう。この3つは時代を問わず、人間社会の「本質」であろうと思う。
お金も何もなかったが、「信頼」を得て、仕事をこなしている内に、次第にチャンスがやってくる。そうして20歳の頃に独立する。子供は5男・5女に恵まれる。この5人の息子達が有名なロスチャイルドの戦略となる。フランクフルトだけでは危なかったので、長男は家族の統一を兼ねて、フランクフルトであったが、その後パリ・ロンドン・ウイーン・ナポリと当時のヨーロッパのBig Cityに危機分散する。5人の子供の性格に合わせての配置であった。3男はやる気満々で積極的なやり手であったので、ロンドンに送った。これがワーテルローの戦の時に役立ち、大きく儲ける事になる。
特に「伝書鳩」での【情報】が大きかったと言われている。ナポレオンが敗北した時に、いち早く情報を入れて、ロンドンで一度債権を売りまくって、値下がった所で、買い戻し、買い増しを徹底的にやったのである。これは3男の大胆な行動力であろうと言われている。
死に際に、子供達を集めて訓示したのは、1)家族の団結。2)誠実さと約束を守れ。3)情報・人脈をはかれ!だったと言われている。それと従業員には優しく高給での待遇をして、準家族の様に扱う事と述べられている。
こう言った事は200年前も今も変わらないと言う事だろう。人間関係の「本質」「真理」は時代を問わない。何事も宇宙の「法則」がある。これをきちんと理解して実際の行動に活かして行くと、其の内に運が向いてきてチャンスが与えられるのであろうか。
日々しっかりと生きる事は、時代を問わない。物事の【法則】に則っとり、自分自身の確固とした「哲学・信条」を持ってきちんと人生を過ごしたいものである。