【明治を作った男・伊藤博文】 私達は歴史から学び、多くの先人から刺激を受けて時代を切り開いて行く。先日【世界の偉人】伝を読んでいて、中学の時から持っていた考えをかなり誤解していたある人物がいた。それは日本の「明治」を作った一人の男、「伊藤博文」である。 彼は長州、今の山口県で生まれて、松下村塾で「教育」を受けた。当時は武士でなくては殆ど「教育」を受ける事は出来なかった。彼は農家の出身であったために、塾生とみなされず、講義は外で立って聴講したらしい。福沢同様、当時の身分制度に不平とコンプレックスをもっていた。 項垂れていた息子をみて母親は、「人間の価値は何を為すかどうかである!」と激励してくれたそうである。塾の外で聴講していたにもかかわらず、高杉晋作,久坂げんすい等と一緒に学ぶ。当時の身分制は今の学歴主義以上に厳しく、インドのカースト制度に近いものだった様だった。 そうして勉学に励んでいた時に藩から5人、イギリスへ行く勉学のチャンスがきた。そこにはのちに大蔵大臣になる井上馨等もあった。皆それぞれに社会や制度の学びを与えられていた。伊藤はイギリスの「社会」を学ぶ様に使命を受けていたが、彼は従来の悪い癖、「女好き」でそういう特殊な場所に入り込んで、藩の貴重なお金をつぎ込んで、同僚から非難されたのを井上馨がかばってくれてなんとか帰らずに済んだらしいが、生涯、彼の「女癖」は治らず、明治天皇からも厳しい叱責を受けたらしい。 唯、面白いと思ったのは後になって、遊郭での学びで???ある人を大臣に採用する時に、「あの男は信用出来るかどうか?」を聞いたら、女性たちは「直感」で殆ど「的確」にあてたそうである。女性を通じて「人間学」を学んでいたのか?人生で1000以上の「おなご」と付き合わば、「人間」がわかると豪語していた様だが?・・・。身分の低さと、女性との付き合いから、社会の現場を知って、これが政治に役に立ったと言われている。 彼は英語、ドイツ語等をしっかりと学び、日本の憲法作りにも寄与した。そうして後に日本で帝国議会を開く迄に頑張り、日本での初代総理大臣になって憲政史上はじめて4度も総理大臣となり、国家運営に携わった。 彼は後に「教育こそ力である」と述べている。自己のコンプレックスをバネとして、それを上手に生かして上昇したのである。又「人脈」作りが抜群であったともいわれ、「学問と人脈」こそが、社会の中で生き抜く要諦と言っていたらしい。英語もドイツ語も発音等は気にしないで、徹底的に話しあい、交渉術や交渉での戦略などにも活路をみいだしたそうで、日清戦争後の交渉でも、かなり有利な交渉術で日本有利に導いたとされる。何事にも徹底した生き方には「無駄」は無いものだとつくづく思わされる。 彼は常に「謙虚」で色んな事に「感謝」する事を忘れず、【努力と戦略と人脈】は「人生の道は開ける」と語っていたそうである。「人生は自分自身で変えられる」と。また生涯を「学び」の人だと言われ、朝早めに起きて、色んな事をノートに書いて論理的に客観的に物事を判断する習慣をつけていたそうである。 彼を考えていたらアメリカのフランクリンを思い出し、洋の東西問わず、成功する人の【法則】は皆同じであると感慨深いものがあった。問題は生き方そのものを「深く」何処迄「徹底」出来るかであろう。
【人生ー生きるとは「学び」である。】 地球は日新月歩していて日々進化している。立ち止まる事も休む事もない。「小さな一歩」でも弛ゆまずに前進している。これで良いと言う事は無い。それ故に生かされている間は、我々も常に「小さな毎日」の「積み重ね」が必要であろう。 毎日食事する。睡眠する。考える、行動する・・・・幾つになっても私達は「意識」して取り組めば、やる事は幾らでもある。気持ちの持ち方、考え方次第であろうか。 不思議と晩年になってくるとやりたい事が多い。今迄の様に「速さ」はないが、何か目標を設定して、Goalを作れば、人間は目的に向かって歩む事が出来る。 今一番意識する事は「健康管理」である。きちんとした「規律ある生活」であり、「バランス」の取れた食事をし、「適度な運動」をして、Something Newにチャレンジする事であろうか。 今ゆっくりと深く学びたいのは西洋、東洋の「哲学」である。アプローチは異なるが、本質、内容はほぼ同様な物を求めている。「真理」であり、「本質」であり、「法則」である。要は「人間とは何か?」であろう。 人間・自然・社会・お金・・・・・・全てに関連性を持っている。物事を論理的・客観的に見る事は大好きであるが、最近は「松下幸之助」さんの「人間観」は秀逸だと感じる。論理性よりも、「宇宙という法則】をしっかりと理解されている。簡単な言葉であるが、心に響くものが多い。 例えば、若い時の成功は殆ど無意味であり、苦しみや、失敗の数々が中年、晩年に生きて来る。これが本当の人生であると・・・。若い時の成功の傲慢さではなく、多くの人のサポートやヘルプによって「今」の成功があると述べられている。そしてどれだけプライドを捨てて、「頭を下げる事」が出来るかと・・・。 家業の破産で、9歳で丁稚奉公に出され、苦労した事や、大変な時に助けてもらった人の事、優しさ、親切にあった事・・・・。特に歳を重ねて、身体が思うように動かなくなって、人の優しさや親切心に触れた時等は、深く、深く、理解出来、共鳴する事が出来る。 こういった事は、晩年になって凄く理解出来るのである。私は常に「お金」以外はヘルプ、サポートするようにしてきた。貸した「お金」はまず返ってこない。そうして「お金」程怖いものはない。松下さんのお父さんも「お金儲け」にのめりこむ事で、家族が悲惨な目にあわれた。 同様な事は自分の身近でも見てきた。お金は借りない、貸さないが一番であろう。兄弟、子供であってもお金は貸さないと言い切って来た。子供の教育に関しては徹底してお金を費やし、教育環境に配慮したが。息子が自分で独立する時は一銭も出さなかった。ケチ親父とか色々と言われたが・・・。お陰で今は150億程の売り上げがあるそうだ。(大学や大学院を出た後は、息子としてではなく、一実業家と扱ってきた。) 特に米国や日本は資本主義社会である。全ては「お金」と共にある。これをしっかりと理解しておかなくてはならないだろう。お金は貸すのではなく、「差し上げる」と言う気持ちが大切であろうか。 松下さんの書を読んでいて感じるのは。世の中、人間関係・・・お金・・会社経営・・人の大切さ等、会社経営を軸にしながら、多くの真理や法則を理解する事が出来る。読む事ではっとする事や共鳴する事、物事の「深さ」を理解して、まだまだ「学び」が必要だと・・・改めて感じた次第である。
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